1年・2年・3年では「ながさ・時刻と時間・かさ・重さ」、4年・5年・6年では「角度・面積・体積・単位当たり量・はやさ」について、子どもたちのつまずきに目を向け、学びやすい確かな認識を育てる教材・展開・授業のあり方を指導案形式に表現した資料集です。授業ですぐにでも活用でき、そして子どもたちの「できた、わかった」という笑顔が楽しみになるシリーズです。ぜひ、それぞれの授業でとりいれてみてください。
この実践集を通して貫かれているのは、まずひとつは「日々の子どもたちとの楽しい時間の断片を紡いでいる」ということ。もうひとつは、「表現」を「人間を見つめる・人とつながる」ということを大切にして捉えていること。だからこそ、本書にあふれている子どもたちが生み出した作品が、見る者の心をつかんで離さないのだと感じます。作品を作り上げた子どもたちの笑顔と、素晴らしい作品のカラー写真。具体的な授業展開やコメント。元気をいっぱいくれるシリーズです!
2007年に発刊された実践集です。「はじめに」に書かれている言葉は、今こそ再度かみしめて、実践の拠り所とすべきだと感じます。「愛国心・郷土愛の押し付けに反対し、地域の民衆・市民の姿を教材の中でどのようにとりあげるか」「真実の歴史をどのように授業の中で教えていくか」「平和や人権を守り、憲法の理念にもとづく授業実践の創造」。こうした方向性を小学校3年生から6年生、中学校の地理・歴史・公民と全21の具体的な教材として提起しています。社会科の授業をはじめ、人権学習や道徳、総合的な学習の時間での活用のために一読されることを期待します。
小学校英語が教科化されます。ともすれば、「英語を使う力(コミュニケーション能力)」が大きくクローズアップされ、学習の主体である子どもたちや教える側の教員や教育環境の実態等を改善する動きは後回しになっています。「見切り発車」の小学校英語を、教育格差を生む差別選別の教科にしないという決意をもって、子どもたちに向き合いたいものです。本書は英語入門期の指導について「学びの楽しさと、人権・平和の視点を」という観点からの教材やとりくみを紹介しています。小学校でも中学校でも使える実践集になっています。
家庭科は5年生から教科として学びます。でも、食べること、作ること、洗うこと、片づけること、そして自分や家族のことを考えることはずっと小さいときから生活の中でやっていきます。だから5年生まで待つのではなく、低学年からくらしを見つめ、発達段階に応じてできることはさせて、生きる力をつけていきたいと思います。この資料集では「衣」の領域で、布や毛糸などを使って、低学年から図工や生活科、学級活動の時間を活用してできる楽しい実践を紹介しています。
私たちは平和学習で沖縄戦や基地問題のことを取り上げて子どもたちと平和の大切さを学んでいます。本書に目を通すと、「ヤマト」と沖縄の歴史的な関係や事実、沖縄の人々の暮らしや文化について目の前が明るくなるようにわかってきます。そしてそのことは平和学習を行うときのどっしりした基盤になるのだと思います。丁寧な資料や具体的な学習の展開などが紹介されており、沖縄をテーマにした平和学習などにとりくむ際に、ぜひ活用してほしい一冊です。
県教研ジェンダー平等をめざす教育分科会は、「労働」「性」「家庭科」3つの研究グループにより、教育実践を提起してきました。長年に渡り、「ともに生きる社会をめざして〜性差別撤廃の主体を育てる〜」というテーマでとりくんできたことが、今、性の多様性について多くの学校で学ばれるようになり、中学校の制服などをはじめ、学校総体として多様性を考える動きにつながっていると思います。しかしまだ課題は多く、実践をさらに深め、拡げていく必要性を感じます。総合学習を含み教科横断的にとりくめる実践が数多く紹介されています。
多くの授業実践でとりくまれている「協同学習」とは何か、それを進める価値はどこにあるのか、そして、どのように実践を進めていけばいいのか…。子どもたちの「学力」が問われ、06教育基本法に基づく新学習指導要領の本格実施が目前に迫る中で、「学びを育む授業をどう創りだすか」という視点で課題を提起していただきました。アクティブラーニングや「学び合い」学習を考える際に基本となる問題提起です。ぜひご一読を。
本書は教育総研「道徳教育を考える検討委員会」において研究協力者として意見や提言をいただいた新谷先生によって書かれたブックレットです。資料集では十分に表しきれなかった、歴史的、政治的な背景や経過を考察し、そこから今まさに行われている道徳教育がどうあるべきかについて鋭く提言されています。「特別の教科 道徳」について、授業をするそれぞれが「考えること」が大切です。その際にぜひ一読していただきたい一冊です。各分会に一冊配布していますが、個人で購読希望される方は教育総研までご連絡ください。